東京2020のゴルフ場問題、
近頃、霞が関カンツリークラブの女性の正会員が認められていないという事が
やっと問題に上がるようになりました。
その件もですが、それ以上に知っていただきたいことがあります。

出来れば下の動画全編を見ていただきたいのですが、
皆さんお忙しいでしょうから、せめて書き起こしをした部分だけでも
読んでみてください。



前略
4:35 (松沢) どうも小池知事ご無沙汰しています。参議院議員の松沢です。
ここに置いてある資料をちょっと見てください。この…そう、その写真を取り出していただけますか?
あのー、私たちは霞が関(カンツリークラブ)が、会場として相応しくないと言うのと同時に、東京都のパブリック(公営)コースの若洲、ここが最適だと言う主張をしているんですね。
で、若洲に対する批判は、「狭い」、そして、「改造にコストがかかる」、そして「もう間に合わない」という3点なんです。
知事、見ていただくと、若洲がこのブルーのゴルフ場の所ですね。この周りに港湾局が持っていて、今更地になっていて、そしてオリンピックまで使わないという土地がこれだけあるんですね。
ここに練習場、駐車場、あるいはテレビコンパウンド(区域/村)、ギャラリープラザ、こういうのを全部配置していけば、若洲は十分な広さがある
それでもう一つですね、この試算を見ていただくと、実はこういう改良工事をやって、今日実は建設会社も連れて行って、全部調べさせて出したんです。
そうしたら約15億ぐらいで出来ちゃうって言うんですね。
実は今、埼玉県の方で出している試算は、霞が関(カンツリークラブ)の施設改良費で39億です。
もうこれで半分なんです。
それから、霞が関でやる場合は輸送費交通費と、そして警備費で、恐らく若洲でやる場合の5倍、10倍かかっちゃいます
そうなると、知事がずっと問題意識を持っておられる、五輪経費という意味でも、若洲を使えば恐らく10億、20億で出来るのが、霞が関にしてみると、100億単位になる
で、この2つを比較していただくと、コストの面でもどちらがいいのかっていうのは、自ずと解かってくるんですね。
それから、もう工事が間に合わないと言う方がいますが、これ、1年で出来ちゃうそうです。この工事、簡単な工事。
ですから我々としてはぜひとも都営のパブリックコースの若洲でやっていただければ、オリンピック、ま、暑さの問題もありますよね、アクセス面の問題もある…もう大成功出来る。
霞が関のままじゃ大失敗してしまうという問題意識を持っていますので、ぜひとも検討いただきたいと思います。

6:47 (尾身) こんにちは。私プロゴルファーのタッド尾身と申します。私アメリカに15年間いましてゴルフ業界に携わってきた経験があるんですけもども、その経験からしましても、この若洲ゴルフリンクスというゴルフ場はですね、十分世界に通用するゴルフ場だと思います。それから…これからですね改造をすることで、海外のトッププレーヤーたちも、プレイを十分に楽しんでいただけるコースだと言う風に感じています。
それから、プロゴルファーのですね仲間、本当に多くの方が「是非若洲ゴルフリンクスで開催をしてください」という風に、言葉をたくさんいただいています。
それから多くのゴルフファンの方もですね、やはり同じ「若洲ゴルフリンクスで開催してほしい」という声が非常にたくさんありますので、是非ですね、若洲で開催出来たらという風に思っていますので、ご検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。

7:34 (上杉) 今日はお忙しい所ありがとうございました。また都庁のみなさん、事務局長の上杉隆です。私からは、先週金曜日にオリンピック組織委員会の森会長宛に申し入れた内容の2点を補足だけさせていただきます。
1点が、この若洲に実は決まったのは2012年、東京都の都議会の決定を受けて若洲になりました。ですから2016年招致のファイルでは「若洲」いう事で、全…もう都全体、一致して「若洲」でありました。
そしてそれが何故かわからないけど(2020年招致では)急に(霞が関カンツリークラブに)変わったというのが現状であります。
そしてもう一つ、今日知事のお手元にも入っていますが、日本障害者ゴルフ選手会の理事長の小池良太郎さまから、ペーパーをいろいろ集めて参りました。
何故かというと… 若洲ゴルフリンクスというのは実は障害者の大会をずっとやっていまして、世界大会もそこで、バリアフリーになっていると。一方で霞(霞が関カンツリークラブ)の方は、もう障害者ゴルフは出来ない、ということで障害者団体、日本にも4団体があります。世界たくさんあるんですが、是非そこから若洲で、パラリンピックは難しくても、何かのプレ競技、あるいは参考程度の競技でいいからやっていただきたいと、その申し入れを預かりましたので、お届けしたいと思います。以上です。

中略

46:55  (松沢)
 私の方からも追加して、あのやはり国民・都民の皆さんは、どちらで開催するのがね、開催経費として、ね、違うのかなと、これ一番関心があるんですね。あの3会場(水泳・バレーボール・ボート)の時もそうでしたよね。海の森がいいのか、あるいは宮城がいいのか、どれだけコストが違うよって、小池都知事もそこに斬り込んだ訳です。さあ、先ほど霞が関と若洲の比較をしましたが、開催経費の中には「施設整備費」と「運営費」っていうのがあります
施設整備費でいきますと、実はこれ(東京2020)組織委員会がなかなか逃げて、私、国政調査権使って全部出せと言っているのに、全然出してくれないんです。
今、埼玉県で出てますけども、霞が関でやる場合の施設整備費、仮設含めて39億という数字。
若洲でやる場合の施設整備費、先ほど私この図面を知事に渡しましたけども、若洲の周りには都有地がたくさんあって、ここに練習場、ここに臨時の駐車場、ここにギャラリー・プラザ、全部配置して、コースも延長して、改良加えて、実は建設会社に試算を出してもらって今の所、14億と出てます。
これも34億(39億の言い間違い)対14億で、全然霞が関の方が… あの施設整備も(若洲は)効率的に出来るんですね。
で、問題は「運営費」の方です。その一番大きな項目は何かというと、「警備費」と「輸送費―交通対策費」ですね。霞が関は50キロ離れています。首都高速、関越、オリンピック専用レーン作るのかと。そうしたら、高速道路会社に「補償料」払わなきゃいけない霞が関はプライベート(私営)クラブですから、1か月借りますから賃借料を払わなきゃいけないんですね。膨大なお金です。
更に警備も、湾岸地域全体で「面」の警備するのと、遠く離れた霞が関を、陸の孤島でまたそこで警備するのでは、コストは圧倒的に霞が関の方が勝っちゃうんです。埼玉県警にもお願いしなきゃいけません。
そういう意味で、この施設整備費ではない運営費の方で恐らく、私は10倍以上の差が付くと思います。
それを組織委員会に私は議員の立場で何度も聞いているんですが、組織委員会、今そんなもの出しちゃったらこの問題吹いちゃうので、「まだまだ計算しきれてません、わかりません」って逃げる一方なんですね。
ぜひともメディアの皆さんも、このコストの比較をしていただければ、一目瞭然。お金を出すのはやっぱり東京都、最後、国ですから。圧倒的に若洲でやった方が、ま、言い方悪いですけども、効率的、安上がり
霞が関(カンツリークラブ)でやるってことは、物凄いお金をかけてやるわけですね。
その上もう一点だけ、気温と風です。
私、気象庁のデータで調べました。一番近いポイント(地点)で。
霞が関のこの夏のゴルフやる期間の最高気温の平均は、約36度です。若洲は31度。4度違う、4度か5度違うんですよ。そして若洲は風が来ます。ですから極めて凌ぎ易いんです。
で、ゴルフは過酷なスポーツなのは当たり前だと言うんですけども、これ後で資料出しますけどもね、これだけ霞が関は35度以上の日があるんです。若洲、3年間で1日だけです。
で、ゴルフは選手は過酷な状況でやるのは当たり前っていうんですが、選手は鍛えているからいいでしょう。でも1万人から2万人のギャラリーがゴルフ場に行くんです。その人たちに35度、風が全く無い中で、5時間もフェアウェー上、コースにいたら、熱中症でバッタバタ倒れます。中には死者も出る可能性がある。そういう状況のコースで果たしてオリンピックやっていいのかっていう事なんですね。
私たちは先ほど議長が言ったように、(霞が関カンツリークラブの)女性の会員の問題が済んだから、「はい、霞でいいですね」っていう事には絶対ならない。コストの問題も、アクセス(交通)の問題も、気候の問題も含めて、圧倒的に霞が関はオリンピック会場として相応しく無い。(ゴルフ)コースとしては立派ですよ。でも相応しいのはパブリック(公営)である、もう、すぐ選手村に近い若洲だという事をこれからも訴え続けていきたい。国民皆さんには必ずご理解いただけるという風に思っています。

51:15 (上杉) ちょっと最後一点だけ、あの今(松沢)委員の方からも言ったんですが、どこでやるかっていう「観客の立場」っていうので、昨年11月から当協会(JGC:日本ゴルフ改革会議)の方で、これ後で出しますけど、アンケートを取りました。「若洲か、霞(霞が関)か、あるいはその他のコースか」ということで、アンケートの方が、これ、フェイスブックでアンケートしたのですが、なるべく公平になるように、うちの会とはちょっとずらしてですね、全く別団体の形でやったんですが、ゴルフやってる方ですね、主にゴルフをよーく知っている方、回答が987人、これ普通の回答ですね。それで、752人が「若洲ゴルフリンクス」、164人が「霞が関カンツリークラブ」、他残りが「その他のゴルフ場で」と、そしてその理由なんですけど、トップ、これは複数回答ですが、一番若洲ゴルフリンクスを選んだ方で、その理由として挙げられているのが、「誰でも出来るパブリック(公営)コースだから」。これはオリンピック終わった後に、例えば「東京オリンピック・ゴルフコース」という風に名を売ってそこで出来ると。これが77%。2番目が53%で「他の競技と近い場所でやるべきだと思うから」。つまり他のオリンピック競技を見て、そのついでに見に行くと。これが2つ目の、2番目の回答です、2番目に多い回答。回答全体では十いくつあるんですが、3番目が45%集めた「観戦に行くことを考えて」。こういう事ですね、つまり、選手というよりもむしろ観客の方はとにかく若洲の方がありがたいと。こういうような…あれ消えました(マイクトラブル)
https://www.facebook.com/kaikakugolf/photos/pcb.783905398427959/783895995095566/?type=3&theater
アンケート結果
観客の方はこのように、見る方の立場。そして今ちょうど私達が申し入れをしている時間帯に、当協会、当会議のメンバーである堀江貴文さんがツイートしてたんですが、一応これをそのまま堀江貴文のツイートを見ますと、読み上げます「一応日本ゴルフ改革会議メンバーの私ですが、本来都心にある若洲ゴルフリンクスは都の持ち物で改修すればPAR70くらいのコースに出来るんですが、どうも霞ヶ関メンバーの一部の派閥の方々が利益誘導している...https://twitter.com/takapon_jp/status/827404418509213696
こういう風に、ゴルフを普通に楽しむ人というのは多くの方が、あのお金持ちの堀江さんですら、若洲という事を言っているという事を、観客の立場から最後お届けしたいと…
後略


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2016年のオリンピック招致の時には「若洲」だったはずのものが、2020年の招致で「霞が関カンツリークラブ」になった裏には、ホリエモンがツイッターで言った通り、ある慶応高校出身の4人」による画策があったようです。



五輪ゴルフ会場「霞ヶ関CC」に今ごろ異論が急浮上した理由
週刊ダイヤモンド編集部 2017年2月1日 
 
日本ゴルフ改革会議201701241月24日に日本外国特派員協会で会見した日本ゴルフ改革会議の面々。「霞ヶ関CCの閉鎖性は五輪にそぐわない」と訴えた Photo by Seiko Nomura   → → →

 「本当にやれるのか」──。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長が年始のあいさつでこう漏らしたのを契機に、急浮上した五輪のゴルフ会場問題。現時点の決定会場は、埼玉県川越市の「霞ヶ関カンツリー倶楽部」(以下、霞ヶ関CC)。国内屈指の名門コースで、国際大会開催の実績もあり、会員には政財界の大物がズラリ。ゴルファーなら一度はプレーしてみたい憧れのゴルフ場だ。

 実は五輪会場については、数年前からゴルフ関係者の間で議論されてきたが、全くと言っていいほど注目されてこなかった。なぜ、今ごろになってけちがついたのか。

 霞ヶ関CCに異を唱える中心的存在は、ジャーナリストの大宅映子氏、参議院議員の松沢成文氏らによる「日本ゴルフ改革会議」。冒頭の森氏の発言について松沢氏は「数カ月前にわれわれがIOC(国際オリンピック委員会)に送った要望書の影響」と推測する。対抗馬は、東京都江東区の「若洲ゴルフリンクス」(以下若洲GL)。「霞ヶ関CCは、選手村(中央区晴海)から約70キロメートル離れているが、若洲は約6キロメートルの距離」と大宅氏。また、霞ヶ関CC周辺の夏の最高気温は37度に達するが「若洲周辺はそれより2度以上低く、海風もある」(大宅氏)というのだ。

会場決定の経緯に疑問符

霞ヶ関CC最大の“欠陥”、それは五輪憲章がうたう「レガシー」になり得ないという点だ。レガシーとは五輪後も市民に広く使用される「社会的遺産」のことだが、霞ヶ関CCは、会員の同伴がないと一般のゴルファーは入場できない。一方、若洲GLは会員制ではなく、誰でもプレーできる。加えて霞ヶ関CCは女性が正会員になれず、五輪憲章が定める“差別”に当たる可能性もある。

 若洲GLにも問題はある。霞ヶ関CCより規模が小さく、プロ大会の開催実績も乏しい。しかし、プロゴルファーのタケ小山氏は「五輪の目的は『競技の普及』で、プロの試合と異なる。若洲GLの規模でも、試合は十分成立する。そもそも2016年招致運動のときの会場予定地は若洲GLだったのに、20年招致運動中の13年、日本ゴルフ協会(JGA)の上層部が、密室的に霞ヶ関CCへと変更した」と憤る。ちなみに、この変更に関わった人物たちは全員、慶應義塾大学出身。慶應義塾高校同窓会報誌「JK」の15年春号で「ゴルフ競技会場決定の舞台裏」と銘打ち、誇らしげに語り合っているが、慶應出身の4人で決めたと言わんばかりで、正直きな臭いと思われても仕方がない。

 とはいえ、本誌の取材に対して組織委員会は「五輪会場はすでに決定済みと認識している」とコメントしており、既定路線を覆す道のりは非常に険しそうだが、新国立競技場のような例もある。今後も事態の推移を見守りたい。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 野村聖子)


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この件について、
玉木正之氏のコラム Camerata di Tamaki(カメラータ・ディ・タマキ)スポーツ編から

掲載日2016-02-17
この原稿は『ZAITEN』(財界展望社)2015年12月号に書いたものです。読んでもらえればわかっていただけると思いますが、五輪後にレガシー(遺産)も何も残らないこの決定は、一日も早く撤回され五輪のゴルフ会場は、超高級プライベート・コースである霞ヶ関カンツリー・クラブから(そもそもカンツリーなんて言い方が気取っててイヤですよね(笑))パブリック・コースの若洲ゴルフ・リンクスに変更されるべきだと思いますが、皆さんは、どう思われますか? という気持ちを込めて“蔵出し”します。

2020東京五輪ゴルフ開催コース「霞ヶ関CC決定」に“慶応人脈”の暗躍


 新国立競技場問題にエンブレム問題。2020年東京オリンピック・パラリンピックに関しては、多くの日本国民が、「本当に上手くできるの?」と首を傾げているのが実状だ。が、今はさほど騒がれていないが、さらに大きな問題が存在する。

 それは、来年のリオデジャネイロ五輪から112年ぶりに復活するゴルフ競技の会場問題だ。

 東京五輪では、埼玉県川越市(の山奥?)にある超名門ゴルフコースの霞ヶ関カンツリー倶楽部で行うことになっている。が、この会場決定には、以前から多くの問題が囁かれていた。

 そもそも世界のトップ・ゴルファー男女各60人を、都心の一流ホテル(又は選手村)から会場まで、都心から50キロ以上も離れた場所へ毎日送り迎えできるのか? 五輪専用レーンを設けるのだろうが、その結果、都心の交通が大渋滞するのは火を見るよりも明らかだ(しかも、莫大なレーン使用料を株式会社首都高速道路株式会社に支払うことになるらしく、長い移動距離の警備も、当然難しくなる)。

 さらに7月下旬の気候。霞ヶ関CCは日本一暑いとも言われる熊谷市のすぐ傍の、さらに内陸に位置するゴルフコースで、真夏のコース上では気温40度を軽く超すとも言われ、選手はもちろんギャラリーの健康への配慮が心配になる。今年の真夏、五輪開催時と全く同じ時期に偶然同コースをラウンドした人の話では、「直射日光を避ける場所もなく、とてもゴルフができる環境ではなく、ギャラリーの中から熱中症が出るのは避けられないだろう」とのことだった。

 ……といった問題もけっして小さくはない。が、さらに大きな問題は、この霞ヶ関カンツリー倶楽部が、日本の名門中の名門といわれるゴルフ場で、旧皇族、政治家、財界人が会員として名前を連ねる名門プライベート・コースである、という点だ。

 オリンピックは国家的イベントで、観客席、記者席、駐車場、大会本部その他の会場整備や大会期間中の営業損失保証(借用料)、大会終了後の現状回復等に、当然国や東京都の税金が使われる。が、一般の人が会員になれず、特定の人しか会員としてプレイできないような施設に、公金(税金)を投入していいものだろうか。

 IOC(国際オリンピック委員会)は、「アジェンダ20+20」(オリンピック運動の40ヶ条の戦略的行程表)を、昨年12月に発表し、オリンピック大会終了後の「レガシー(遺産)」を最重要視する姿勢を表明した。

 その方針に従い、来年開催のリオ五輪のゴルフ会場も、当初予定されていたプライベート・コースでの実施を取り止め、新たに市営のパブリック・コースを建設。現在も建設中で、五輪後は一般市民に開放されることになった。

 つまり霞ヶ関CCでの五輪開催は、「レガシーの尊重」というIOCの最重要方針に決定的に反しているのだ。もちろん霞ヶ関CCが、五輪をきっかけにして、誰もが利用できるパブリック・コースに転じるというなら問題はない。いや、それほど素晴らしいことはない。

 が、本誌編集部記者が霞ヶ関CCの木村希一理事長に直接疑問をぶつけたところが、「それ(レガシー)については回答を控えさせていただきます。取材は広報を通して下さい」との返事。そもそもトップがレガシーを語れないようなCCで五輪を開催しようと考えることが間違っているのだ。

 とはいえ、当初は私自身も、この問題をさほど重要な問題とは考えなかった。というのは私自身、ゴルフ改革会議(議長=大宅映子)という団体の副議長という立場にあっても、自分自身でゴルフクラブを握ったのは数回で、ハワイの波越えグリーンにワンオンしたのが唯一の自慢という程度。

 ゴルフはあまり好きなスポーツではないが、「ゴルフとあまり縁のない人にも改革会議に加わってほしい」とジャーナリストの上杉隆氏に要請されて加わったものだった。

 だからこの「五輪ゴルフ場問題」も、最初は、エリート臭がプンプンと臭ういかにもゴルフ界的な事件という程度の認識だった。

 が、改革会議のあるメンバーから一冊の印刷物を見せられた瞬間、その認識が一変した。それは『慶応高等学校同窓会会報誌JKJukuko vol.14 2015 SPRING』に掲載された『2020私たちの聖火第2回/26大会ぶり、ゴルフ復活!2020東京オリンピック、競技場決定の舞台裏』と題された特別座談会だった。

 出席者は、高橋治之(2020東京オリンピック組織委員会理事・元電通国際本部長)、竹田恒正(2020東京オリンピックゴルフ競技対策本部長・日本ゴルフ協会副会長)永田圭司(日本ゴルフ協会専務理事・2020東京準備委員会委員長)、戸張捷(日本ゴルフ協会常務理事・2020東京準備委員会副委員長)の4氏で、いずれも慶応高校大学の卒業生霞ヶ関カンツリー倶楽部の会員でもあるという。
慶応高の4人
 これは、もう「ゴルフ界のエリート臭」などと嗤っていられない事態である。この記事を見た途端、私は非常に不愉快な気分になった。そもそもオリンピックという国家事業、国民的祭典を、同じ「学閥」の関係者だけで自分達が事を為したかように語っていいものか!(友人の慶大出身者も「ヤリスギだ」と不快感を示した)。

 しかも座談の内容は、問題だらけ。東京五輪のゴルフ会場は、最初東京都が所有する東京湾の埋め立て地にある、交通の便も良い若洲ゴルフリンクスに決まっていた。が、「詳細を詰める段階になって私たちの委員会で検討すると、残念ながら若洲は適さない」(永田氏・以下同)それは20万人の観客の収容、(五輪には)36ホールが必要で、若洲には不可能、霞ヶ関なら「既存の施設を利用」し「自己負担で改修して、オリンピックをお迎えできる」というのだ。

 が、この問題を取材し続けてきた上杉隆氏は、それらの発言を「若洲に行ったことも見たこともない人の根拠のない勝手な発言」と断言する。ゴルフ改革会議のメンバーで現地を実測した結果、むしろ国際的なコースに簡単に改修できるのは若洲のほうで、観客の収容も問題ないという。

 しかも霞ヶ関の改修は自己負担と言いながら、そこには休業補償放映権料現状回復工事費コンサルティング料等々、様々な金銭が動き、彼らが霞ヶ関CCに五輪会場を持ってこよう(若洲を会場から外そう)とするのは、プライベートコースならそれらのカネの動きが曖昧にできる(都営パブリックコースならカネの動きをすべて表面化せざるをえない)からではないか、という推測も成り立つという。

 そのためのJGA(日本ゴルフ協会)・霞ヶ関CC電通、そして慶応という「派閥」が蠢き、何らかの共通の利益を求めて動いた結果が霞ヶ関CCでの五輪ゴルフ競技の開催となった……とも考えられる、と指摘する人もいるのだ。

 先に紹介した慶應義塾同窓会会報誌の座談会では、「レガシー」についての発言は、たったの一言もない。つまりIOCが提唱するレガシーを無視して霞ヶ関CCに決定されてしまったのだ。

 今の状態では、世界のトップ・プロゴルファーが男女合わせて百人以上集まり、スーパープレイで競い合う東京オリンピックのゴルフ競技は都心からけっして近くはない交通の便がよいとも言えない日本でいちばん暑い場所で日本でいちばん暑い灼熱の季節に、行われようとしている

 しかも、それを決定したのが、エリート自慢の学閥関係者たちの“利益誘導”によるとするなら、これは新国立競技場、エンブレムと並ぶ大問題であり、直ちに見直し作業に着手すべきだろう。


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女性が正会員になれないという件で、IOC、メディアも騒ぎ始めたことで、
日本ゴルフ協会(JGA) が声明を1月31日に出しています。


http://www.jga.or.jp/jga/jsp/jga_news/news_detail_13105.html

2020年東京オリンピックゴルフ競技会場問題に関する見解について

[2017/01/31]

オリンピックゴルフ競技会場問題では、一部より、不正確で誤解を与える情報提供がなされ、日本ゴルフ協会・オリンピックゴルフ競技対策本部として大変懸念しております。ゴルフ競技会場問題に関する見解は、下記の通りです。 

《霞ヶ関カンツリー倶楽部(KCC)選定の経緯について》 
東京都による「申請ファイル」に若洲ゴルフリンクスが記載されました(2012年2月)が、それは東京都が、独自判断で記載したものであり、IF(国際ゴルフ連盟/IGF)及びNF(日本ゴルフ協会/JGA)が承認したものではありませんでした(この時点では、IF・NF承認の必須条件なし)。その後、東京都からゴルフ競技会場選定の依頼を受け、オリンピックゴルフ競技に対応するために組織していた「オリンピックゴルフ競技対策本部(構成は、JGA、PGA、JGTO、LPGA、東京都、有識者)」で検討を始めました。東京都の選定条件であった選手村から50km圏内という条件に従い、約50のゴルフコースから絞り込み、一方で専門家が委員を担う対策本部は、世界メジャートーナメント規模の面積、施設、実績を踏まえた結果、「申請ファイル」に記載した若洲GLには大規模な改修が必要であり、東京都に充分な計画がなかったため、東京都も承諾した上で除外されました協議の結果、KCCが第一候補会場となり、その後、東京都がアクセス、施設の検証を行った上で、KCCの受諾決議を経て、IGF及びIOCの承認を得て「立候補ファイル」に記載されたというのが経緯であります(この時点では、IF・NF承認が必須条件)。現在でも、KCCは諸条件のなかで最良の選択であり、正式にIGF及びIOCに承認され、正規の手続きであったという認識に変わりはありません。また、KCCは自らの費用負担でコース改修を行い、10回以上のIGFによる視察・承認受け入れなど、一般社団法人としての創立精神に準じ、国家的な事業としての認識でオリンピックゴルフ競技開催に向けての数々の要望に応えてきており、これまでの協力体制に感謝しているところです。 

《霞ヶ関CC(KCC)の女性正会員問題について》 
霞ヶ関カンツリー倶楽部(KCC)は現在212名の女性会員が在籍し、女性会員に対する待遇や権利、あるいは施設利用について、女性会員からのクレームはなく、1999年には日本女子オープンが開催される等、女性プレーヤーに対し十分に門戸は開放されていると理解しております。また、ここ平常年度のデータになりますが、年間営業日のうち、その9割以上にあたる日が女性のプレイ可能な日であり、来場者数約65,000人のうち、約27,000人がゲスト、そして9,000人を超える女性がプレイしております。また、倶楽部運営のための各委員会にも女性が参画しております。このような説明をもって、IOC及びIGFにも承認されたと認識しておりますが、既報の通り、最近になってIOCが組織委員会に対し、正式に女性正会員への開放を要請しており、現在IGF、組織委員会、JGAとKCCで対応を検討しているところです。 

《レガシーについて》 
オリンピック憲章等でもレガシーについては広義にとらえられているように、オリンピックを期に、日本においてゴルフがスポーツとして正しく普及・振興されること、そしてメダルを獲得する選手の育成・強化のプログラムの確立、さらには競技運営のレベルなど全てが世界水準に近づくこと等々の無形のレガシーこそが大切だと認識しております。その中で施設として残るKCC東コースは、毎年開催している日本ジュニア選手権の継続、日本オープン等の公式競技、地区の競技会に今までどおり開放して頂き、日本のゴルフのレベルアップに貢献する日本を代表するゴルフコースとして維持されることを期待しております。前述の通り、KCCは現状でも年間約27,000人のゲストを受け入れておりますが、オリンピック後にはさらにその機会を広げる検討をお願いしております。一部には、パブリックコースがオリンピックゴルフ会場に相応しいという意見もありますが、アベレージゴルファーが楽しくプレイできることをコンセプトとしたパブリックコースを、世界のトッププレーヤーが競うゴルフコースへと改修した場合、それをいかにして維持し、いかにして運営していくのか慎重に検討されるべき課題と考えます(実際、リオデジャネイロ大会の際も当初は既存のプライベートクラブを改修して使用する計画でしたが、交渉が成立せずに、やむなくオリンピックのためのパブリックコースを新設したというのが経緯ですが、すでにその運営・維持方法が課題となっています)。 

《その他》 
暑さ問題としては、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局による調査結果が公表されております。そのデータでは、東京オリンピック期間(昨年)の13:00時点の日向/草地で平均気温・平均湿度を比較しますと、KCCは(平均気温34.0℃、平均湿度47.9%)、有明地区<東京臨海広域防災公園>は(平均気温33.0℃、平均湿度57.4%)となっております。KCCの方が平均気温は1℃高く、平均湿度は約10%低いというデータが出ております。この件ではIGF会長のPeter Dawson氏は、来日時「ゴルフは自然と相対するスポーツであり、暑さ寒さは心配していない。しかも日傘等で競技者自身が自己防衛可能なスポーツである」とコメントしております。またギャラリー対策としては、大きな避難所や多くの休憩施設を設置する方向で検討を進めており、医療分野においても万全な体制を整えていく予定でございます。 
選手村からの選手送迎については、現在IGF及び組織委員会とも問題点を共有し、選手村を利用しないプレーヤーの宿泊施設の確保も含め、調整を重ねながら最善の方法を検討しているところであります。 

2017年1月31日 
公益財団法人日本ゴルフ協会 
オリンピックゴルフ競技対策本部


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竹田
日本ゴルフ協会(JGA)  の会長の竹田恒正氏というのは、
JOCの竹田恒和氏のお兄さんです。

個人的な意見としては、東京2020組織委員会が
霞が関カンツリークラブに無理して女性の正会員を
受け入れるように働きかけなくてもいいと思っています。
例え女性を受け入れるようになったって、高級すぎて、
一般人には縁のないゴルフクラブです。

このゴルフクラブは正会員の同伴じゃなきゃ、プレー出来ないわ、
https://www.kasumigasekicc.or.jp/information/index.html
ゲストプレーについて
ドレスコードもあるわで、
https://www.kasumigasekicc.or.jp/dressCode/index.html
ドレスコード

一般庶民が気安くゴルフを楽しめる場所じゃありません。
お金持ちの特権意識を持ってる人たちのサロンのようなゴルフコースです。


そんなとこでオリンピックをやらなきゃいいだけ


そうすれば、女性会員を受け入れたくない霞が関カンツリークラブも、
税金の無駄遣いしたくない都民(国民)も
win-win(ウィンウィン:どっちも有利)です。


ゴルフは若洲

そうするしかないでしょ?






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