昨日、桃栗さんから、とても興味深いコメントをいただきました。

  桃栗 2018年11月28日 16:03
  某ツイッターで見ました。喘息持ちの選手とはカテゴリー分けして欲しいという意見。
  フィギュアだけでなく他の競技でも喘息の薬が競技に影響を及ぼしているそうです。
  なんと、五輪金メダリストは喘息持ちが多いって。知らなかったですー
  特例さんは知ってたのかな?

  ↓ サイクリングタイムズの記事から

喘息の治療吸引薬をめぐる問題:
選手からは「喘息薬を使う選手は除外、カテゴリー分けを」という声も、
また五輪アスリートの調査で喘息薬使用者にメダリストが多いという明確な傾向も
1月 23, 2018  by H.MOULINETTE

(クリストファー)フルームがいまその渦中にいる喘息薬使用による問題は、本当に根深いものがある。
すべてではないがドーピング禁止薬物だが治療薬として認められているものもあれば、禁止薬物ではないが、
摂取量が制限されているものもある。
そしてその治療薬の摂取の仕方次第では、治療を超えてパフォーマンスの向上につながってしまっている
というデータも出ている。

マルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン)らトップクラスの選手の中には公の場で
「喘息薬を使用している人間は別カテゴリーに分けて欲しい。」と口にするなど、
治療薬とはいえドーピング効果がある薬品を使用する選手たちへの風当たりはそもそも強かった。
TUE(治療目的例外措置)を申請すれば使用が認められる薬品も多いのだが、
そのシステムの悪用をしたのではと当時チームスカイに所属していたブラッドリー・ウィギンスと
ブレイルズフォード監督に疑惑の目が向けられている中での同じくチームスカイのクリス・フルームの
喘息吸引薬成分のサルブタモール基準値オーバーは、選手たちに間に露骨な嫌悪感を生み出してしまった。

さらにここ100年近くのオリンピック競技をさかのぼっていくと、
喘息で治療薬を使用している選手(基準準値内)のほうが
喘息の持病がない選手よりもメダル獲得率が約倍も高いことがわかっている
のだ。
これは明確に治療薬が影響を及ぼしているといえる数値ではあるのだが、
喘息の場合治療薬を使わねば生命の危険にもなりかねないという側面が、使用を容認し続けている
というのが現状だ。
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『吸引薬は悪用されるとドーピング効果に繋がってしまう可能性』

特に吸引薬は気管を押し広げ7~8%ほども呼吸量を増大化することがわかっており、
例えば軽度の喘息であっても、重度であると偽り吸引することで運動能力の向上
つまりドーピング作用を狙っての悪用ができてしまうのだ。
そのことを明確に嫌い、ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)などは「僕は絶対に吸引薬を使わない。
あれを使うことはフェアではないから。」として吸引薬の使用をしないと明言している。
それどころか「TUE自体も悪用される可能性があるし、治療以上の効果をもたらす可能性があるので、
その制度を使わない、廃止すべきだと思う。」と言及している。
そしてさらに喘息持ちの選手の大多数が吸引薬を使用していること
(通常重度の喘息患者が緊急用に使用することが多いため)にも不自然さを感じるとしている。

また全米女子シクロクロスチャンピオンでもあるケイティ・コンプトンは、
フルームと同じくサルブタモールの吸引薬を使用しているが、
今回のケースも含めたレース中の吸引薬使用者の多さには違和感を覚えると口にしている。
「そもそもレース中に吸引薬が必要なほどの喘息の発作が起きた場合、
たとえ緊急時回避として吸引薬を使用したとしても体はすぐに戻らずレースを完走することさえも
困難なはず。」としている。
さらに「今回のフルームのケースは、考えられないような量の数値が検出されているけど、
あれだけの量が必要な発作だったのであれば、レースどころか動くことも困難なはず。」と疑問を呈した。

WADA(世界アンチドーピング機構)は最大限の努力をしているがだが
実はまだまだ抜け道やグレーゾーンは多く存在している。
ドーピングは意図的に行うものだが、病気というものを口実、隠れ蓑にそれが行われていたとすれば、
それはあえて追及されにくいことがわかっての極めて悪質なケースだ。
今現在すでに別の研究機関らにより吸引薬の影響、つまり治療に使用したとしても、
どれほどのドーピング効果を生み出しているのかという研究が進んでいる。

ウェレンスのように吸引薬は絶対に使わない、体調が悪ければレースをリタイアする、
と割り切っている選手は少数派だ。
さらには吸引薬を使わねばならないほどの喘息なのであれば、レースを続けるより引退を選択する
という選手がいるのも事実だ。
悪用するものがいることで、本当に持病があるのかなどを疑わねばならないのは悲しい限りであるし、
また持病があったとしてもその症状の重さを偽っているのではないかという疑念を持たねばならない
というのは残念なこと
だ。
しかしながら現状吸引薬が蔓延しており、それが結果スポーツでパラドックスを生み出してしまっている。

偶発的なドーピング作用の可能性もある吸引薬をどこまで治療として認められるべきなのか、
WADAの苦悩とともに、見る側にとっても頭を悩ますケースが増えそうだ。

H.Moulinette


・‥…━━━☆・‥…━━━☆


下の棒グラフ、何だと思いますか?

喘息ドーピング Messages-Image-1853109207-
Figure 1
Percentage of athletes with asthma and corresponding percentage of individual ­medals won 
by athletes with asthma at Olympic Games 2000–2010. 
#: Data based on IBA (inhaled β2-agonist) 
use only; ¶: data from WADA.
図1
2000-2010年のオリンピックで、喘息を持つアスリートの割合(青の棒)と、
喘息を持つ個人競技のメダリストの割合(茶の棒) 
#データはIBA(inhaled beta-agonist: 吸入β2刺激薬)使用者のみ データはWADAより
https://asthma.net/living/olympic-medals-athletes-with-asthma-are-among-the-top-recipients/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4933613/


相対的に、冬のオリンピックのメダリストに多いと、上のアドレスの英語の記事にありましたが、
図を見れば明らかですね。


ちょっと驚きました。
バンクではメダリストの、8-9人に1人
ソルトレークと、トリノではメダリストの、6-7人に1人が、喘息の薬を吸引していたなんて!


IBA(inhaled beta-agonist: 吸入β2刺激薬)というのは、本来は禁止薬物ですが、
rescue inhalers, albuterol/salbutamol という種類は使用が許可されているそうです。 
 

特例くんの手にあるのは、
salbutamol (サルブタモール) = サルタノール(グラクソ・スミスクライン社の商品名)
喘息ドーピング 特例


サルタノール(薬品名: Salbutamol Sulfate) は、
1度吸引すると3時間以上効果が持続すると説明書にはありましたが、
詳しくはこちらを
https://jp.gsk.com/media/755762/sultanol-inh-guide.pdf



呼吸量が7~8%増えるって、どのくらい運動するのは楽になるんでしょうか?



ところで特例くんが喘息になったのは、「2歳から」説と、「17歳から」説があるんですね…😱
知りませんでしたわ…


桃栗さん、とても興味深い情報をありがとうございました m(_ _)m🌝




ご覧いただきありがとうございます    <モスクワの鐘>


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