真嶋さんの本の184-185ページにあるように、
スケ連にはいくつかの質問をしています。


原稿を書いている段階で、「スケ連に質問するけど、何かある?」と聞かれたので、
いくつかの質問を託しました。


最初に取材を申し込んだのは2017年の7月。
「スケーティングの巧みさ」について、どんな点を評価するのか、ライトファンにもわかるように
ジャッジ資格を持つ方にご説明をいただきたいという取材申し込みをしたそうです。
浅田真央のプログラムのステップについても、説明を伺いたいと。

この際は、「引退したとはいえ、特定の選手に対する見解を述べるのは難しい。
いずれにせよ、時間的に余裕のある者がいない」
という理由で断られたそうです。



以下は、2017年12月に
私の質問を含めて、真嶋さんが2017年にスケ連に送った質問状です。


【「公益財団法人 日本スケート連盟」について】

・  2016年のISUコングレスに、JSFとして出席した8人のお名前と役職をお教えください。
ISUでは、「コングレス出席者のうち、ひとりは現役か現役に近いスケーターを含むこと」を推奨して
 いますが、JSFがアクティブ・スケーターを連れて行かなかった理由をお教えください。
・  荒川静香氏は、理事に就任後、ISUのコングレスには1度も出席していません。副会長就任後、
 2016年に行われたISUコングレスの直前、直後の(6月3日~5日、6月11日~12日)は、
 アイスショーに出演していたと把握しております。
 2016年のコングレスの日程は、2014年のコングレス後の理事会で決定しています。
 個人的な活動を、JSF副会長の職よりも優先している実情を、JSFとしては「問題なし」と
 認識しているのでしょうか。

・  JSFアスリート委員会は、年に何回、開催されているのですか。
 具体的な活動内容をお教えください。

・  日本には通年リンクが少なく、リンクは減少傾向です。
 JSFとしてリンク数の維持、もしくは増加のために、何か具体的な策を講じているのでしょうか。

JSF理事は会長を含め、非常勤、無報酬と伺っています。
・  日当規定もないようですが、日当も払われていないのでしょうか。
・  何か問題が起きたとき、実働し、責任を負うのはどなたですか。
・  JSFで有給で働いている職員は何人ですか。
・  村松達郎氏は、有給の職員ですか。役職をお教えください。
・  一部の報道では、浅田真央さんの現役時代、ショーなどの報酬のうち半分を
 JSFにおさめていたと伝えられています。これは事実でしょうか。
 事実でないとしたら、誤解を解くためにも、選手の報酬のうちJSFの収益となるのは、何%程度なのか、
 お教えください。


【「アルメニアのリンク」について】 
 
アリ・ザカリアン氏は、2013年のインタビューで、自身がJSFに自国のリンクを紹介したと応えています。
http://golosarmenii.am/article/19471/a-zakaryan-situaciya-s-figurnym-kataniem-pozorna
・  ザカリアン氏は、JSFでどんな仕事をされているのでしょうか。具体的にお教えください。
・  ソチとアルメニア・エレバンでは、温度差と、かなりの標高差があります。にもかかわらず、
 「カレン・デミルチャン・コンプレックス」を最終調整の施設として選んだのは、どうしてでしょうか。
・  JSFは「カレン・デミルチャン・コンプレックス」が経営難を抱え、2013年11月にアルメニア政府から
 貸付金不払いによる差し押さえ請求をされていたことは把握していましたか? 
 同リンクは2013年2月、伊東秀仁理事と松村達郎氏が行った視察以前にも、元従業員から
 給料不払いを理由に提訴されています。
 視察には、アリ・ザカリアン氏の他、当時のアルメニアのNOCスポーツ部長のガブリエル・ガザリアン氏、
 スケ連会長のメラニア・ステパニアン氏も同行していたと把握しております。
 彼らから報告は受けなかったのでしょうか。
・  もし、提訴の事実を知ったうえで「カレン・デミルチャン・コンプレックス」を使用したのであれば、
 その理由を教えてください。
・  最終調整の際、「カレン・デミルチャン・コンプレックス」は空調が効いていなかったため非常に寒く、
 氷にはサビやその他のものが落ちていたという報道があります。浅田選手(当時)は個人戦前に
 ブレードを研ぎ直したとも報じられました。これらは事実でしょうか。
・  事実であれば、アルメニアのスケ連及びアルメニアのNOCに抗議はしたのでしょうか。
 ザカリアン氏は女子チームの最終調整中、ソチにいた(男子シングルの中継映像で確認)ようですが、
 彼の責任は追及されなかったのでしょうか。
・  結果として、JSFが「カレン・デミルチャン・コンプレックス」を最終調整のリンクに選んだことは、
 適切だったとお考えですか。



メールで送った上記の質問については、メールでの返信の催促を3回、電話での担当者への伝言を3回したそうです。
そして返って来た回答が以下だったそうです。

「調査ではなく事実関係の確認」、「副会長の公務のご見解」等については、このことがまさに「調査を要する事項,個人情報を含む事実関係,評価を含む事項」の通りとなりますのでご理解の程宜しくお願いいたします。



・‥…━━━☆・‥…━━━☆



2018年8月1日、更に質問を送ったそうです。


〔公開質問状〕

【概要】2016年3月30日22:30~31日01:20(日本時間、以下同)に行われたフィギュアスケート世界選手権・男子公式練習で、羽生結弦選手と故デニス・テン選手の間に起こった事柄に関し、複数の紙媒体、電子媒体、及びテレビにおいて、正確性を欠いた報道がなされています。2016年当時はもちろん、不慮の事故によりテン選手が亡くなられた現在も、その状況は変わっていません。それにより、テン選手の名誉は傷つけられたままであり、報道を盲信した一部の人々の誹謗中傷は、今も続いています。

 言うまでもなく、故デニス・テン選手は祖国ザフスタンのフィギュアスケート普及・振興に務めた人物です。その追悼集会には在カザフスタン日本国大使館の川端大使も出席され、在日カザフスタン大使館には約2000人の日本のファンが哀悼の意を表すために献花に訪れました。
現状の報道をそのままにしておいては、テン選手は日本人の記憶に「羽生選手の練習を妨害した選手」として記憶されかねません。上記公式練習にて起こった事柄を正確に周知し、同選手の名誉を回復するために、以下3つの質問をさせていただきます。

①フィギュアスケート競技会公式練習での一般的なルールとマナーについて。
〔1〕 試合での使用曲がかかっている選手が最優先される。
  すぐに止まって避けることができないスピン中の選手も優先対象
〔2〕 ジャンプの助走が重なってしまった場合は、先に助走に入った人が優先
〔3〕 ステップやスパイラルは人と人の間にできたスペースを見つけて行うのがマナー
〔4〕 他の選手と同じ方向に滑る。

 上記は、「羽生を激怒させたテンとは...最大のライバル、ソチ五輪銅メダリストのコリア系カザフスタン人」(『産経WEST』2016年4月1日 15:20 配信)からの抜粋ですが、ここに書かれた4つが暗黙のルール、もしくはマナーと考えて間違いないでしょうか。つまり、〔公式練習中の“曲書け選手は最優先”だが、すぐに止まって避けることができない“スピン中の選手も優先対象”である〕との解釈で、間違いありませんか。


②2016年4月6日に行われたカザフスタン共和国スケート連盟、
 タチアナ・ルシノワTatyana  Russinova氏の会見内容について。
 同会見では、「月曜(4月4日)に日本スケート連盟から電話を受けた、また、公式書簡(an  official  letter)を受け取った」「日本スケート連盟は我々にISUに苦情を申したてないようにと強く要請してきた」「彼らは我々にスキャンダルを大きくしたくないのだと求めた」「一人の選手が―たとえその選手がオリンピックチャンピオンであっても―両連盟の関係を壊したからと言って、日本側と争いたいとは考えない」「羽生選手が自らの行為を反省するよう、日本スケート連盟はすべきことは全て行った(Japanese Federation did their best to make Hanyu be sorry for what he had  done)」といった内容が話されています。

 また、複数のカザフ・ロシアのメディアが、4月4日付けで「日本スケート連盟と羽生選手がカザフスタンスケート連盟に謝罪した」と報道しています。
これらカザフ・ロシアにおける報道内容は、「テン選手が羽生選手に一方的に謝罪した」というニュアンスを伝えた日本の報道内容とは、明らかに異なるものです。むしろ、メディアの前で「(テン選手が取ったリンク上の行為を)ビデオで確認したが、たぶん故意だと思う」と発言した羽生選手の非を日本スケート連盟が認めたことをほのめかす内容だと解釈できます。

 日本スケート連盟は、カザフスタンスケート連盟に対し、羽生選手の発言及びリンクでの言動に関し、謝罪したのでしょうか? それとも、日本の報道通り、あくまでテン選手が一方的に謝罪し、それによって両スケート連盟が和解したのでしょうか。


③デニス・テン選手の逝去にあたり、IOC会長をはじめISU会長が、またロシア、アメリカ、カナダをはじめ、
 各国スケート連盟が追悼のコメントを発表しました。日本スケート連盟はカザフスタンスケート連盟に対し、
 哀悼の意は伝えたのでしょうか。
 また、伝えたのだとしたら、「公益財団法人」として、なぜそれを公表しないのでしょうか。


 現状、日本における報道しか見聞きしない人々にとって、デニス・テン選手は「故意に他選手を妨害した」という不名誉なレッテルを貼られたまま、その名誉が回復されることはありません。しかも、同選手にこの件に関する釈明の機会が与えられること、もはや二度とないのです。故デニス・テン選手を心より応援し、フィギュアスケートを愛するファンのために、誠意あるご回答をお願いします。



・‥…━━━☆


そして返って来た返事がこれです。

[公開質問状]①に記載の事項は,規則として定められているものではありません。
[公開質問状]③に関し,本連盟会長名で,カザフスタン連盟に,哀悼の意を表するメッセージを送付いたしました。この点については,複数の新聞記者の質問に答えて,明らかにしています。
[公開質問状]に記載のその他のご質問につきましては,調査を要する事項,個人情報を含む事実関係又は評価を含む事項であり,事務局として対応いたしかねます。



真嶋さんは、日本スケート連盟としての対応ができる人への取材をする為の取り次ぎを再三事務局に依頼しましたが、返ってきた返答は以下だったそうです。


調査を要する事項,個人情報を含む事実関係又は評価を含む事項に関するお問合せについて,連盟の窓口である事務局として,対応いたしかねますと回答しております。ご理解の程お願いいたします。



・‥…━━━☆・‥…━━━☆

スケ連は窓口である事務局が、取材を突っぱね、質問にも真摯には答えませんでした。
事務局の担当者は役職や、フルネームすら名乗らなかったようです。

真嶋さんは、「事務局に『調査』の依頼をした訳ではなく、送った質問を踏まえて、
事情を把握している強化部の人に直接会って話を聞きたいから、
「連盟の窓口」である事務局に取り次ぎを頼んだのに、まったく聞く耳を持ってもらえなかった
文字通り、門前払いをされた
」と言っています。




ご覧いただきありがとうございます    <モスクワの鐘>


この記事は1月16日16:00に最初に出しました。

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