今年もいくつか衝撃的な出来事はあったのですが、
何らかの形で記録に残しておかなきゃならないと思ったことの1つは、これです。

3月の世界選手権の後の、3月25日にテレビ朝日「報道ステーション」の中で放送された
特例くんのインタビューです。

並大抵の賢さじゃ言えない言葉が、語られています



2019年3月25日 テレビ朝日 報道ステーションより
https://www.youtube.com/watch?v=pXWfiIkW6T0
修:  松岡修造  特: 特例くん(羽生結弦)  富: 富川キャスター  徳: 徳永キャスター  ナレーション


富:  続いて特集に参ります。修造さんお願いします。

修:  よろしくお願いいたします。
  まあ今ありましたけど、国別対抗戦なんですけども、羽生選手はケガの為、出場することが出来ません。
  ただ、週末行われました世界選手権、ネイサン・チェン選手との闘い、これは凄まじかったです。
  どんな思いがあるのかって聞きたかった。だから先ほど、お話聞くことが出来たんです。
  羽生結弦は、燃えてます。


・‥…━━━☆・‥…━━━☆


土曜日に行われた世界選手権男子フリーは、フィギュア史に残るハイレベルな優勝争いとなりました。
羽生結弦にとって、4か月ぶりの実戦復帰の舞台でした。


羽生は総合得点で今シーズン世界最高得点をマークします。
つづいてリンクに上がったのは、去年の世界王者、ネイサン・チェン
高難度の4回転ジャンプをことごとく成功させていきます。
直前に羽生が出した世界最高得点を、あっという間に塗り替えてしまったのです。
くそ1-300
総合得点は20点以上の差
絶対王者、羽生の完全な敗北でした。




特:  まあでも感覚的に「しっかり負けたな」っていう感覚
  もあるし、ある意味なんか「負けられたな」っていう…

修:  負けられたな?
くそ2-300
特:  なんか、なんていうんですかね、なんか
  「絶対に勝たなきゃ…絶対に勝たなきゃ」って、
  ずっと張り詰めてたんで、自分が勝ちたいっていう
  気持ちの期待度の大きさと、
  まあ、周りからの「羽生結弦は復帰戦でも
  オリンピックで勝てたから勝てるよね」っていう
  期待の大きさと…
  で、それを両方とも見た時の、
  その更に自分がかける重しと、なんかすごい、
  なんかいろんなものが固まって、
くそ2-2-300  その中に勝利ってのがあったので…
  もうなんか、揺るがなかったんですよね。
  それをなんか、外側から全部取っ払ってもらって、
  なんか今ちょっとフリーな感じで…います。




絶対王者としてのプレッシャー、
それを感じさせる場面がありました。
フリーの演技が終わった瞬間、このガッツポーズ
くそ3-300



特:  血がにじむような努力をホントに今回も
  してきてたんですよ
  もうホントダメだ、もう疲れた、ホントに、
  もうこれ以上動けないっていうのを
  ほぼ毎日のように繰り返してきたんで、最後の一番
  追い込んだ日、トレーニングで追い込んだ日、
  自分、泣いたんですよ。
くそ4-300  なんか、なんか、その泣いた気持ちが、なんか
  「ああこれでもう、苦しい日々は終わった」って
  思って、フリーの時のなんか自分に、
  「この苦しみをもう耐えたから、後は幸せを
  お前に託すよ!」って思って、
  こうやってたんですよ(こぶしを上に突き上げる)。
  でもあの瞬間に、勝てたっていう確信が
  平昌と違って無いんですよね、(やっぱり)



くそ5-300
渾身の演技にも拘らず、「勝てたという確信」が
持てなかったという羽生
一体なぜなのでしょうか?




特:  彼(チェン)は今までのいろんな試合の中で、
  僕の後の試合っていうのを…
  僕の後のフリーっていうのを、
くそ6-300  結構経験しているんですよね。
  ダメだった経験もしているし、その後に、
  良かった経験もたくさんしてるんですよ。




これまで、何度も大舞台で競り合ってきた
ネイサン・チェンの存在
羽生よりも難度の高い4回転ジャンプを持つ、
世界でも随一のジャンパーです。
くそ9-300



特:  ただ今回それプラスαで、その自分が、
  そのなんていうか、自分が意思を持って
  コントロールした上で、自分の演技に
  集中しきれるっていう…
  で、今回、まあ、日本開催羽生の後
  まあ、プーがまた雪崩が起きるだろう
  ウォーミングアップが出来ない
インタビュー10  しかもアウェー、っていう状況の中で、
  んー、何て言うんだろ、
  レールみたいなものがちゃんと見えたんですよね、
  今回。




技術力と精神力を兼ね備えた選手へと成長を遂げたライバル
その姿を見て、羽生の中には「ある思い」が芽生えたといいます。
くそ11-300



修:  ネイサン・チェンっていう選手を、
  羽生さんはどう捉えたんだろうなって思って…

特:  アッ、なんか今回で「尊敬の意」が強くなりましたね。
  トップアスリートが持つべきメンタルの良さ、
  あのー、リスペクトの精神と…
  カッコイイって、凄いって思った。これで10代かっ! 
くそ12-300  アハッ…アハハ…
  ただ、やっぱり、うーーん、なんか、
  また超えたい存在がちゃんと出てきてうれしい
  っていうのが正直ですよね。
  自分が具体的に思い描いてたそのゴールを、
  1回達成してしまったがために、
  そのなんか、モチベーションが不安定
  だったんですよね。
  もの凄く強い敵に対して、その「裏技」とか
  使うんじゃなくて、
  正面から技術力で、突破するっていう
くそ13-300  そのなんか、ゾワーッとする「勝ってやる~!」
  っていうのが今、
  多分、昔っから好きなんですよね。




再び挑戦者となった羽生
目指すのは技術面でのさらなるレベルアップです。


くそ14-2-300

特:  なんかメンタルとか、そういう努力とか、
  そういうのじゃ足りないんだなっていう

修:  そうすると具体的に、いわゆる4回転アクセルとか…

特:  もしかしたら、その4回転アクセル、4回転ルッツ、
  まあ、もしくは4回転フリップをやるにあたっては、
  多分1日にそれこそ5段とか、6段とかを飛ばして
  跳ばなきゃいけない位のパワーを必要とする時が
くそ14-300  あると思うんですよね。
  だからなんか、その…力が欲しい… イヒヒヒ…
  なんか、1発に懸ける力がもっと無いとダメだっていう…
  もっと強くなれよ!ってやつですよ。グフフフ…

修:  もっと強くなれよっていう…

特:  そういう感じです。

修:  熱くなれよじゃなくて、強くなれ

くそ15-300特:  そうなんか、今まで、今まではもう十分熱くなって
  たんですよ。
練習に向けても、トレーニングにしても、
  ずっと熱くなってたんですよ。
  ただ、熱くなるだけじゃダメだろうっていう、
  アハハハ…

修:  羽生さんがそう言うか!

特:  修造さんに「熱くなるだけじゃダメだろう」って、
  なかなか言えないよな。アハッ、アハッ


・‥…━━━☆・‥…━━━☆


修: いやもう今日は本心で話してくれたんですよ。で、やっぱ羽生さんを見ていてやっぱ一番感じたのは、
  絶対王者だったときは、羽生さんは、羽生結弦と戦ってたと思うんですよ。
  でも今回負けました、ネイサン・チェン選手が…。ま、挑戦者になった。
  その表現をですね、パトリック・チャンに挑んでいた感覚に似てるって言ったんですよ。
  で、それは彼がホントにいろんなものに挑んでいったじゃないですか、
  その真価(進化?)をもう一度見ていけるって思うだけでも、なんだか今日のトークはワクワクしましたね。


徳:  なんかすごく素直な言葉のように聞こえたんですけど、なんか羽生選手の言葉って、
  1周2周してるような気もして、なんか、どんな感じだったんですか、実際は?

修:  いやいやそりゃ今日、本心で話してるから「勝負インタビュー」でしたよ。
  で僕は殆ど聞いてないですよ。全部彼が…すっきりしたかったんでしょうね。
  自分で聞いて、自分で答えて、「俺は次に向かってくんだぞ」っていうのを、
  自分でちゃんと出してた。
  でも、変な言い方ですよ、その時間が彼は必要だったんだなっていう感じもしましたね。

徳:  ふーーん、いい時間だったんですね。

富:  ネイサン・チェン選手も、宇野昌磨選手も、ライバルがいるから、また羽生選手も強くなる。
  いい相乗効果が生まれそうですね。


・‥…━━━☆・‥…━━━☆



日本開催羽生の後、まあ、プーがまた雪崩が起きるだろう
ウォーミングアップが出来ない
しかもアウェー
っていう状況の中で…」

特例くんファンが、ごみを捨てるように大量のプーをリンクに投げ入れることが、
次に滑る選手のウォーミングアップの妨げになることを、十分承知した上で、
ファンをたしなめることも無く、好き勝手にやらせていた事に驚きました

3月の世界選手権のFSで、特例くんの後に滑ったのは、
最大のライバル・ネイサンくん
ということも覚えておいてください。



そしてもう一つ、

もの凄く強い敵に対して、その「裏技」とか使うんじゃなくて、
正面から技術力で、突破するっていう…

普通の選手は、「もの凄い強い敵対しては、正面から技術力で突破する」 しか方法を
持ちえないと思うのに、どうやら特例くんは、それ以外の方法をお持ち
のようです。
裏技を使った…



イヤ~、頭にガツンとくるような、記憶にしっかりと刻まれるいいインタビューでした。
これらの言葉を引き出した松岡修造さんと、放送したテレビ朝日は、あっぱれです。




このインタビューをご存じで無かった方、見たけど録画し忘れた方は、
削除される前に見ておいていただきたいです。
このブログで紹介したので、数日の内にYouTubeから削除されてしまう可能性が大きいから…




 
ご覧いただきありがとうございます    <モスクワの鐘> https://twitter.com/skatingvenusmao


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